嫌そうな顔をして腕を振りほどかれた。

私はわざと倒れた。

「痛いっ‼」

手を捻った。

案の定姫がこっちによって来た。

「大丈夫?」

私は何も言わず屋上を去った。

立ち去り際、気を付けて、と呟いて。

聞こえたか聞こえてないか知らない。

どっちにしろ私が犯人になるもん。

私は気づかなかった。

うしろでお姫様が悲しい目で見ていたことを。

理由はあとあと嫌でも知ることになるということを。