「ただいまー」


家に帰れば妹はまだ帰ってなくて

おかんも買い物に出掛けとった。

キッチンの机に置いてあった

書き置きに目を通して部屋に上がり

荷物を床に投げ出し

ベッドに身を投げる。


「…ふぅ」


長く入院しとってからの久々の学校は

正直結構疲れた。

ずっと机に張り付いとかんと

あかんのやもん。

1ヶ月前の俺はよく

こんなん耐えよったわ。


何か飲み物を持ってこようと

立ち上がれば

ふと視線に入るきらりと光る物。

何やろうと机の横にある

小さな棚に目を移せば

銀色の指輪やった。

赤い石がはめ込まれた

シンプルなデザイン。