「…ヒメを汚してごめんなさい」

先輩が頭を下げた

「ち、違うんです!!それは先輩が他に好きな人がいるのに私を抱いたのが許せなかっただけで、先輩が私を好きでしたのなら、私は汚されたなんて思ってません!むしろ私は今は先輩で良かったと思ってます!」

「…ホント?」

「はい!絶対本当!!」

「よ、良かったー!俺なんかが手を出しちゃダメだったって真剣にへこんだ!」

「先輩…私、そんなに奇麗な人間じゃないですよ?お願いだからそんなに美化しないでください…ひどい過去の持ち主だし、タバコ吸っちゃったし、鼻水だって垂らしちゃうし…」

「イヤ、奇麗だよ…真っ直ぐで、正直で、反省できる…純粋な人だよ…」

先輩は私を見ながら優しく頬を撫でた

「怖かった…真っ白な物に俺の真っ黒な欲望でシミを付けていくんじゃないかって…」

先輩はそっとキスをする

「でも、離せなかったし、欲しくて我慢できなかった…」

「なら、このまま汚してください…先輩の色に…」

私は笑った

先輩の色になるなら本望だよ…

先輩の唇は私を全て奪うように強く、激しく求めてきた

私も全てを奪いたかった…