「え?」

「先輩が他に好きな人がいるって知ってます…
でも、わ、私…身代わりだって事も知ってます…ぅっ…でも、でも先輩の事が好きなんです…だから、もう終わらせてください…
私、でないと忘れられない…先輩との事、思い出にできない、できないから、はっきり言ってください!
私の事好きじゃないって…」

先輩は立ち上がって、泣きじゃくる私を抱きしめてくれた…

「ヒメ…ごめん…本当にごめん!!」

先輩…

先輩の匂い…
今日で最後

先輩の顔、髪、匂い、腕、手…全部最後だから、ちゃんと覚えておこう…

「ごめん…ごめん…」

先輩が何度も優しい拒絶の言葉を繰り返した…

身代わりにしてごめん
キスしてごめん
エッチしてごめん
傷つけてごめん
受け入れられなくてごめん

好きになれなくてごめん…

きっと『ごめん』の中にはたくさんの先輩の気持ちが入っているんだね…

もう大丈夫です、先輩。今こうして抱きしめてもらえるだけで、もう充分…

今は誰の身代わりでもないから


大丈夫…


ありがとう先輩、楽しい時間を。こんな想いを。ありがとう…




「ヒメ…ごめん……」