「え?」

凜は切なそうに続けた

「前に進みたいなら、自分でフラれてこないと…他の誰かの失恋を盗んでも、それはずっと残るんだから。ちゃんと本人から拒絶されないと諦められないよ」

凜はきっぱりと言った。
私が告白してフラれないと諦められない…

「それに、好きだった人を忘れることは…きっと出来ないよ。思い出にすることは出来るけどね…」

いつか思い出になる…

先輩との事を思い出に?

出来るの?

「ちゃんと伝えておいで。初恋はね、不器用だから実らないものだよ。でも、次はもっといい恋できるから!大丈夫!」

凜が微笑んでくれる

いつか前に進める…

時間がかかったとしても、こんな気持ちから解放される


身代わりで、辛くて、憎くても、優しくて、可愛くて、やっぱり好きなこの気持ちがいつか幸せのための糧になる…

乗り越えられる…

それなら伝えよう…



先輩に…



私は凜に向かって頷いた









二人で笑った