ほととぎす なきつる方を
ながむれば
ただ有明の 月ぞ残れる
後徳大寺左大臣の歌です。
“有明の月”はそのまま夜明けの月。
早朝、ホトトギスの鳴き声に振り返ると、空には月が残っていた。
そのまんまの歌で、学生の頃は何のヒネリもないつまらない歌だと思っていました。
大人になってもう一度読む機会があったとき、すごく色気を感じました。
夜明けの月を、誰と見ていたんだろう…。
当時の男女は通い婚で、夜明けには男性は女性の家を出て自宅に戻るのが通例でした。
早朝の月を見るためには、夜明けまで誰かと起きていたんだ。
なんだかニヤけちゃいます。ふふふ。