「……そうですか」

全部の粉を口の中に流し込めると、何回かむせ返った。

「げほっ……あー、器官入った。絶対入っごほっ……」

「あーもう、何やってんの?水は?」

指でごみ箱を指さす。

「……もう飲んだわけっ?」

何度か頷く。

「はぁ……っていうか、もうこんな時間だけどいいの?」

沙綾はホームと逆を指さす。

「……夕方になっげほっ……てる!」

「気づかなかった?」

夕日を見つたまま、首を横に振る。

「ふーん。帰らなくていいの?」

「ここから見る夕日って、本当に綺麗だよね」

「……堂々と素無視とは、いい度胸じゃないですか、お嬢さん」

天羽はベンチの上に立ち、息を思いっきり吸う。

「ちょっと何やってんのっ?」

「ゆーきーやーくーんーっ、好きだよーーっ」

沙綾も立ち上がり、天羽の隣に立つ。

「恥ずかしくないのっ?」

「全然!」

沙綾の方を向いて、しっかりと笑う。

「見てるこっちが恥ずかしいよ……」

頭を押さえてうずくまる。

「そう?沙綾も叫んだら?」

「えっ。いいよいいよっ」

一気に立ち上がり、ベンチの上で後ずさる。

「何照れるの?」

「普通照れるわっ」

そう言った沙綾に「あっそ」とだけ返しベンチから飛び降りる。

「どうしたらここも元気になるのかな?ねぇ、天羽どう思う?」