チャイムが鳴り、部活に入っている人達は忙しなく駆けて行く。
「桜、また怒られるよ?」
机に突っ伏していた顔を上げ、時計を凝視する。
「……うわぁっ!?また走らされる!!じゃね!」
荷物を抱え、廊下を全力疾走して行く。
「あなたのお友達は愉快なのね?」
後ろでくすくすと笑う声が聞こえる。
「桜が五月蝿いだけですね。まぁ、取り柄ですけど」
明日香は山白の方を向いて微笑む。
「あなた、友達は大切にしなさいよ?」
「……わかってますよ」
「そう?……それならいいわ」
歩く速度を合わせ、天羽の横をふわりと進む。
目的の場所へ向かう途中、この間の体育館でのメンバーが集まってきた。