驚きもせず、ただこうして消えるのだと言いながら、笑っていたと。


無くなっていた荷物は、隊服、刀、着物。


そして――――


俺の、羽織だった。



五条大橋の石造りの冷たい影の下で、蹲る(うずくまる)小さな人影。


・・・・・どうしても、目が離せなかった。



「あれ、か・・・・・っ?」



周りの奴らが、好奇の目で俺を見ていた。


ただ、そんな事は全く気にならず、ただその人影へと足を早める。


短い髪が、白い細い首に黒い筋を作っている。