「――――あれで、良いんだよ」
「は・・・・・?」
落ちてきた前髪を掻き揚げ、ポツリと呟く。
驚きに目を見張る総司に、あれで良かったと、もう一度繰り返した。
「あいつに何を言っても、笑ってくれねぇ。
なら、あれで・・・・・笑っててくれたら良いんだよ」
フッと笑いながら、頭に蘇るのはあの日の千歳。
茶に映った自分の顔は、何故かとても歪んでいた。
「ひ・・・・・土方、副長っ!!」
不思議そうに見つめる二人など視界に入らず・・・・・
まるで、句を作っていた時のように、自分の世界に入りかけていた時だった。