琉榎 side
「熊野くん・・・」
「あのさ・・・」
「ごめんなさい・・・」
「は?」
「私、熊野くんに謝らなきゃ・・・」
「なんで?」
「私、わかってなかった。私、みんなに必要とされてないと思ってた・・・でもね、今日"シンデレラはやっぱりキノ子だよね"って言われてやっと気づいたの・・・熊野くんはこのことを伝えたかったんだって・・・ごめんね・・・わからなくて」
「癸乃・・・」
「それから、ありがとう」
「ッ!」
癸乃はどうしてこんなにも強いのだろう・・・
いや、違う・・・
強くて弱いんだ
大切な人を守れる強さと
自分を守れない弱さ・・・
だから、俺は癸乃を守ると決めたのに
ダメだな・・・俺・・・
「俺も、ごめん・・・」
「え?」
「一番傷ついてるのは癸乃なのに・・・」
「そんなこと!」
「あるよ・・・」
触れたい・・・
癸乃に
触れたい・・・