そのスポットライトのような蛍光灯の明かりに浮かび上がり、尚もデスクに向かう男達。 ちょっとカッコイイ? そんな事もないか。 でもそんなフロアの暗さのお陰で ―― あっ! 最近では鈍感な僕でさえも月の明るい夜が、本当によく分かるようになった。 ―― ほら、思った通りだ! 僕は窓際にある課長の柔らかい椅子に座ってクルリと回り、13階の高さからの月をゆったり眺める。 今日の夜空には、雲さえ見えない。