無理もない。

朝まで沙織は聡のことを鬱陶しいと嘆いていたから。

「あの、千里。」

もう一度説明を要求してみる。

すると千里は、こういう恋愛話が苦手なのか小さい声でぼそぼそと話し始めた。

「あの・・・さっきのお化け屋敷でね、なんか、沙織がね、惚れちゃったんだって。」