その時の樹は、顔を真っ赤にしてうろたえていた。
「………。」
癒麻と悟は、そんな樹を見て、お互いに顔を見合わせて笑った。
(もう樹のヤツ…、困るなら怒鳴らなきゃ良いのに…。)
悟は方眉を下げて笑う。
「…なに笑ってんだよ?」
悟を見て、樹は面白くなさそうに顔をしかめる。
「笑ってないよ?」
「いや!笑ってる!
お前、今笑っただろ!?」
樹は悟に詰め寄る。
「笑ってないって…。」
「いや!ぜってー笑った!!」
「樹、落ち着けって…。」
「落ち着いてるだろ!!」
(…どこが?)