癒麻はニッコリと微笑む。

「あの二人、本当は仲良いみたいだから。」
癒麻は樹に聞こえないように、亜衣に耳打ちした。
「樹、聞こえたら怒るからね。」
亜衣に向かって軽くウインクする。
「二人とも、早く戻ろう。」
先に歩き出した癒麻の後を樹は歩き出す。
「あっ、待って、癒麻ちゃん。」
悟は癒麻の隣に走っていく。
「あ!?こら!!なにさり気なく隣キープしてる!?」
樹は慌てて、癒麻から悟を離す。
「樹…、大声出すから、亜衣ちゃん怯えてるよ?」
悟は呆れた顔で、笑った。
「え!?」
樹は困ったように亜衣を見る。