「どうやって止めようかしら…。」
癒麻は困ったように眉を寄せて笑った。

「樹ー、悟くん。もう戻らないと授業始まっちゃうわよ?」
「え?もうそんな時間?
じゃあ、戻らないとね。
さっきの人もいなくなってるしね…。」
「帰ってなきゃ、お前なんか相手にするかよ…。」
「樹ー、なんで『お前』に戻ってるの?」
「お前はお前で十分だ。」
「せっかく仲良くなれたと思ったのに…。」
悟はムゥっとした顔をした。
「癒麻ちゃん…、やっぱり二人仲悪いの…?」
亜衣は不安そうに、癒麻に耳打ちをする。
「大丈夫よ。」