悟は、何かに気づいたように樹の顔を見た。
「なんだよ?」
悟が見ているのに気づいた樹は面白くないように顔をしかめる。
「…今、樹…俺のこと『悟』って呼ばなかった?」
「!?よ…っ呼んでねぇよ!!」
今度は樹が赤くなって否定する。
「いーやっ、絶対呼んだ。」
悟は嬉しそうに樹に近づく。
「呼んでねぇ!!てか、近づくな!!」
樹は顔を赤くしたまま後ろを向く。
「えー?呼んだよ。聞こえたもん。」
「呼んでねぇ!!」
二人のやりとりを見て、癒麻は楽しそうに笑う。
「癒麻ちゃん…。」