癒麻は二人の手を取って、亜衣のほうへ歩いていく。
「おはよう、亜衣ちゃん。」
「は…はい、おはようございます…。」
亜衣は鞄で顔を隠す。
「行こ、亜衣ちゃん。」
二人の手を離した癒麻は、亜衣の手を取る。
「あ…っ。」
亜衣は握られた手を見つめて、嬉しそうに笑う。
「行こ、亜衣ちゃん。」
亜衣は癒麻にはにかんだ笑顔を見せ、嬉しそうに癒麻の手を握り返した。
「…うん。」
癒麻と亜衣は二人並んで歩いている。
「そういえば今日の家庭科調理実習だったわよね?」
「…うん、今日はクッキーだって。」