「よしっこれだな?」
樹は石を納めたケースの鍵を手探りで探す。
カチッと音を立てて、鍵が外れる。
樹がゆっくりとケースを持ち上げたその時…。
「!!」
樹の足を何かが掴んだ。
「WING…お前の…好きに…は…させな…い…っ。」
五十嵐刑事が、床に張った姿で樹の足を掴んでいた。
「この…っ!!」
癒麻がケースから素早く石を取り出し、樹は手に持っていたスプレーを目より少し上に吹きかけた。
「うわっ!?」
五十嵐刑事は思わず顔を背け、手を離す。
その隙に癒麻と樹は飛び上がり、降りてきた窓へと飛び移る。
「ま…待て…っ怪盗…WING…っ。」
そのまま五十嵐刑事は、眠るように気を失った…。