「その家は伝統を守るために、相続が決まると同時に候補も決まるらしいんだ…。」
「…それで、その子は納得してるのか?」
「え…?」
「お前は、その子が納得してるって聞いて悩んでるのか?」
「…聞いて…ない……。」
「だろう…?
なら悩むのは早いんじゃないのか?」
「……。」
悟は考えこむように、拳を顎に当てる。
「候補者がいるってだけで、すべてが終わったわけじゃないだろ?
他にも方法はいくらでもあるんじゃないのか?」
「他にも方法が…?」
悟はパソコンの画面を見つめる。
「ありがとう、父さん。その方法考えてみるよ。」