「母さんに……?」
「ああ…、心配してたぞ。家に帰ってきてから挨拶も無いし、食事もしないって…。
なにかあったのか?」
悟はゆっくりと首を横に振る。
「たいしたことじゃないから…。」
「そうか…?
なにもないなら、お前は母さんに心配かけるようなことは絶対しないだろ?
体調が悪くても、心配かけないように無理してでも食べるお前のことだ。
食事も取れない悩みでもあるんじゃないか?
話してみろ?」
「俺…、好きな子がいるんだ…。」
「そうだろうな…。」
「え…?知ってたの?父さん…。」
悟は驚いたように、五十嵐刑事を見る。