『癒麻ちゃん…?』
悟は、目の前に立つ少女に声をかけた。
少女はゆっくりと振り返る。
『癒麻ちゃん、どうしたの?こんなところで?』
悟は嬉しそうに走り寄る。
『……。』
癒麻はニッコリと笑い、口が動く。
『癒麻ちゃん…?』
口は動いていても、癒麻の声を聞き取れず悟は癒麻の口を見つめる。
すると癒麻は何かに気づいたように、悟の後ろを見つめる。
『どうしたの?癒麻ちゃん?』
すると癒麻は嬉しそうに顔を輝かせる。
悟は後ろを見てみる。
そこには樹が立っていた。
『樹…?』
樹はゆっくりと癒麻に向かって手を差し出す。