樹はそのまま後ろに倒れこんで横になる。
「癒麻は、あいつをどう思ってんだ…?」
小さく呟いた樹の言葉は、癒麻の耳には届かなかった…。



『桂木を継ぐ者には、代々『候補』が選ばれることになってるんだ。』
自分の家に戻った悟は、食事も取らず部屋に閉じこもっていた。
「樹が、癒麻ちゃんの候補……。
俺は、どうしたら良いんだ……?」
悟は自分の両腕を顔の上に乗せる。
(俺が樹にかなうわけ無いんだ…。)
悟はキュッと唇を噛みしめる。
(考えても、すぐに答えなんて見つかるわけが無いんだ…。
今日はもう寝よう…。)