樹はポツリと小さく呟く。
「え…?なにか言った?」
顔にかかる髪を、耳にかけながら癒麻は樹を見た。
「なんでもねーよ…。
それより飯どうするんだ?なにか食うなら作らせる。」
「もうこんな時間だし良いわ…。悪いもの…。
自分でなにか軽く作ってくるわ。
樹は食べる?」
癒麻は立ち上がって、部屋の外へと歩く。
「ああ…、なんか腹減ったなっ!」
樹は両腕を伸ばして、大きくノビをする。
「じゃあ、作ってくるわね。なにが食べたい?」
癒麻はクスッと笑う。
「軽くで良い。脂っこくないやつな。」
「解ったわ。ちょっと待ってて。」
それだけ言うと癒麻は部屋を出て行った。