「樹が…、癒麻ちゃんの候補……?」
流れる沈黙に、時計の音だけが響き渡る。
どれだけの時間が流れていたのか、沈黙を破ったのは悟だった…。
「俺…、用事あったんだ…。帰るよ…っ。」
悟はカバンを持って、部屋の外に飛び出す。
「癒麻ちゃん…。俺は……。」
家の外に出たところで、悟は足を止める。
悟は唇を噛みしめて、自分の家へと帰って行った…。

「癒麻…、お前は、どうしたいんだ……?
俺は、お前のために何が出来る…?」
樹は、ゆっくりと癒麻の唇に近づく。
「何をしてるんだ…?俺は…。」
樹は頭を抱え、苦痛の表情を浮かべていた…。