ドクンッ!!
(『候補』…?なんだ?この胸騒ぎ…?
心が痛い……。)
悟は自分の左胸を抑える。
「桂木は後継者が決まると、『候補』を決める…。
それは、桂木を守るために決められたこと…。」
「その…、『候補』ってなんなの…?」
しばらくの沈黙の後、樹は強く拳を作り、ゆっくりと口を開く。
「相続後の『結婚相手候補』だ……っ!!
癒麻の相手は本家によって決められる…。」
「結婚…相手…?
じゃあ癒麻ちゃんは…、癒麻ちゃんの意志はどうなるの!?」
悟は一気に立ち上がり、声を上げる。
「静かにしろよっ!!」