スーパーに着いて、あたしはタマネギとトマトジュースを、流血ちゃんはシャープペンの芯を買っていく。
スーパーを出て、公園まで急ぎ、木陰の下にあるベンチに流血ちゃんを座らせた。

あたしを見上げる流血ちゃんに、さっきスーパーで買ったトマトジュースを差し出す。
流血ちゃんがよくトマトジュースを飲んでいるのは知っている。


「これ、あたしの奢り。体調悪いなら飲んで」

「え? …受け取れません」


いやいや。
流血ちゃんに飲んでもらえなかったら、あたしが困るから。


「具合悪いんでしょ? 無理しないの。アンモラルに依頼を頼んだ人が困っちゃうよ?」


一人の吸血鬼を尊重するんじゃなくて、アンモラル内のルールの方に訴えかけてみる。
流血ちゃんは暫くトマトジュースを見つめてから、受け取ってくれた。


「…ありがとうございます。では、戴きます」


凄い飲みっぷりで、トマトジュースを空にしていく流血ちゃん。





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