流血ちゃんは少し何かを悩んでから、口を開いた。
「……ウチは最近、何か具合がずっと悪いんですよ。凄く悲しい気持ちで目が覚めたり、目が覚めたら枕カバーとかが真っ赤に染まってたり、何か肋骨らへんが痛かったり、ずっとボーッとしちゃったり…。こんなの初めてで…」
自分でも説明しにくそうな感じだけど、流血ちゃんはあたしに説明してくれた。
そうか……。それで具合が悪くてフラフラしてて、道路に飛び出しちゃったのか。
だけど、あたしはその症状を知ってるかもしれない。
あたしもその症状に、覚えがあるもん。
多少大袈裟かもしれないけど、その症状は、たぶん…。
「恋なんじゃない、んですか?」
「…鯉、ですか? 魚の?」
いやいや、違う違う。
流血ちゃん、判断力まで落ちてるの?
「違う違う、恋愛の方。ラブ、ね」
「…はぁ」
どうやら納得がいかないらしい流血ちゃん。
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