「だから俺は、そんな俊秀をほっておく事は出来なくて、アドバイスしたんだよ」
「アドバイス?」
「そう。そんなに上野の意識を戻して欲しいなら、アンモラルのBloodyに相談してみないか、って。俺達とBloodyは同じクラスだからな、上野よりはアンモラルの話も幾らか聞いてたんだ」
「…願いを叶えてくれる、だけど代わりに報酬として血を取られる、ってヤツ?」
「そう」
アンモラルの知名度が意外と低くて、メンバーと同じクラスじゃないと知らないとか、そういう状態だったのなら、少なくとも上野より俺や俊秀の方が、アンモラルに相談する事を思いつきやすい筈だ。
「上野の状態は、医者から見れば目覚めない原因が分かんないとか、そんな感じだったらしいんだ。目覚める前に死ぬ可能性もあるって言われてたらしい」
「……私、そんなに酷い状態だったの?」
俺は上野の言葉に驚いた。
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