私が黙っていると、眉間にしわを寄せて

「聞いてる?」

と私の顔をのぞき込んできた。私はとっさに男子の両頬を抓った。

「いへへへへへッ…!?はにふんやよ!?!?」

そう言いながら両手を捕まれて引き離されたので、今度は蹴りを入れた。

今私は膝を立てて座っている状態で、男子は私の足の向こうに不良みたいな座り方で座っていて、顔を近づけていた。しかも私の両手を掴むために体を前に倒してきたので、蹴るにはとても良い体勢だった。