やっとそう言って、近寄っていく。

凌が額を触って体温を確認しているようだったけど、それを追い払って、どう運ぼうか迷った末、膝の後ろに手を入れ、頭を支えて抱きかかえた。所謂お姫様抱っこの形。

久しぶりに見た戀木明愛は、肌が赤くて息が荒くて、前見たときの涼しい雰囲気とは正反対だった。

苦しそうに眉間にしわを寄せているのを見て、ときめいてしまった。ごめんなさい。

とにかく急いで保健室まで運ぶと、賢がスポーツ飲料を持ってきた。その後ろから先生を連れてきた心がやってきた。さっきから凌は戀木明愛に興味津々という感じで近づいている。

おい、近いぞ。