いきなり聞こえてきた声に驚いて目を開けたら、私を見下ろすようにして立っている男子がいた。

「わっ!!?」

思いっきり後ずさると、その男子は肩を震わせながら近付いてきた。

「あんた、ここ立ち入り禁止なんだけど、分かってる?鍵閉めときゃよかった…」

最後は私ではない誰か、なにかにいって、首を傾げて私を見た。

その人は、髪が太陽に透けて金色に光っていて、ピアスの赤い石と一緒に煌めいていた。