自然と足は上へ上へと目指していて、いつの間にか屋上の扉の目の前にいた。

どうせ開かないと思いつつもドアノブに手をかけると、簡単に回って

ー…開いた…ー

一回閉めて、また開けてみる。そして、足を踏み入れる。

さぁっと夏の風が髪をさらう。ただ蒸し暑かった校舎内よりも幾分か涼しく感じる。

真ん中にたって終わりのない空を仰いだ。