そいつは背筋を伸ばしてスタスタと真ん中まで歩いていくと、上を見上げた。俺も釣られて上を向いたが、空しかなかった。

そいつはこの高校の女子達とはなにかが違った。女子の多くは髪を茶色とか金に近い色にしているのだが、そいつは目を奪われるほど綺麗な黒で、夏を満喫していないのであろう真っ白な肌によく映えていた。

いくらか時間が過ぎて、空から目をそらし、辺りを見回していた。