奏はナースさんに、深々と頭を下げていた。




信じられない…

私…妊娠してるの?





「やったな。やった…」


奏…


奏は目を少し潤ませながら、もう一度私の手を握った。

こんな嬉しそうな奏の顔は、初めて見た。




「近いうちに…産婦人科に行こう」

ーー『うん…』


目から、涙が溢れた。



嬉しくて嬉しくて…仕方がない。



ずっと欲しかった宝物が、私のお腹にいる…

まだ会えるまで、少しだけ時間があるけど…会える日が、今から待ち遠しい。


私は生まれつき障害があるから…もしかしたら、生まれてくる赤ちゃんも、私と同じ障害を持って生まれてくるかもしれない。