温かくて、大きくて、大好きな手。



「俺…お前に心配かけてばっかりで……本当最低だよな」

ーー『奏…』


奏は、申し訳なさそうな顔をする。




「朝帰りなんてしてごめん。同僚と仕事の話してたら、つい遅くなっちまってさ…いくら付き合いとは言え、俺…」

ーー『いいの。私こそごめんなさい…』



奏は仕事してるから、たまには飲みに行ったりするのは普通のことなのに…

浮気なんて疑ったりしたら…




私って、最低だよね。




ーー『私…妻として最低だった。これからは、奏が仕事をしやすくなるように努力する』

「…もう十分なってるって」


奏の私の手を握る力が強くなる。





「柏木さん。奥様は、目を覚ましましたか?」





ベットの横のカーテンが開いたと思ったら、ナースさんが入ってきた。