「お前亀井に命握られすぎだろ。」


「まぁな!」


「いやそこ威張るとこじゃねーからな?」


「渚さんにはいつもいつも御世話になってますから!」


「そー言うことじゃねーし。」


「あ、ちなみに今ともやんの数学の生命線はあたしだということを忘れるでないぞ。別にあたしはともやんを置いて中川くんとここを去ることだって可能なんだからな?」


「お前それこそやっちゃいけないラインだろ!この数学点数取らないと評定がまずいことになるんだよ!中間の時点で完全に死亡してるんだからなオレ!」


「あたしが知ったことか。精々一人でもがき苦しめばいいだろ。」


「それだけはおやめ下さい!マジなんでも言うこと聞くからさ。ここだけは見捨てないでマジで!!」


「ともやんが何でも言うこと聞いてくれてもあんま嬉しくないなぁ。」


「お前な、『何でも言うこと聞く』なんて学園物の恋愛物ではお決まりのセリフじゃん!『何でも?じゃ、何してもらおうかな』ってそこから何かが始まる合図じゃん!」



嬉しくないとか言うなーとどこか遠くに叫んでいるともやんはさておき、先ほどから一向に反応がない中川くんに眼を向けると、なにやらしょんぼりこっちを見ていた。



…何この可愛い生き物!