航太が好きな、航太好みの女の子になりたくて。


お化粧も、服装も、髪型も、―――。


航太が、可愛いね、似合うね、と喜んでくれるものは、だいたい女の子らしい服装だったし。

長くて巻いた髪が好きだと聞けば、髪を伸ばして巻くようになった。

実際、――――。

航太は記念日とか関係なく、思いついた時に、プレゼントをくれて。

航太から貰ったプレゼントは、女の子らしいものが多かったな…。


リボン、ハート。

…王道だよね。


あの、クリスマスのプレゼントだって、―――。

航太が最初に選んでいたものは、可愛らしい時計。

麻友理から、私が大人っぽい時計を欲しがってるって聞いて、驚いたって、言ってたっけ。


あの頃の私は、――――。

雑誌からそのまま抜け出したような格好で、女の子らしいものに囲まれた、可愛いものが大好な女の子だった。


「久しぶりに玲に会った時、驚いたの。

ふわふわして可愛いイメージだったのが、すごく大人になってて。」


「大人だもん。」


「もうね、全然、違ったからね。

マニッシュというか、凛々しくて。」


小さくて童顔の私には、きっとピンクやパステルカラーが似合うんだと思う。


だからこそ、――――。


敢えて、そういうものから離れたんだ。


航太に愛されていた過去の私を、思い出してしまうから。