「これ、椎名さんが握りしめていたそうよ」

きっと看護師を睨む俺。

そんな俺にそっと差し出されたもの。

「これは・・・・・・」

俺の、写真?

アルバムに入れていた1枚だ。

ぐしゃぐしゃになっているけど、間違いない。

「意識が無くても、この写真を握ってた手だけは意志があるみたいにぐっと握っていたって言ってたわ」