うん、つくべきところには ちゃんと筋肉もついてる。
ひ弱そうだったのに、今は全然ひ弱そうじゃない。
寧ろ何気にたくましくなってきてる。

待て、私は変態か。
人の体を触ってこんなこと思うなんて変態以外の何者でもない。

「なぁ、羽音」

「なに?」

「もっと…頼ってや」

いきなり、どうしたの。
頼って…前にも言われたんだけど。

「うん、分かってる」

「分かってへん」

「なんで?」

「辛そうやん」

誰が?私が?辛そう?
今まで表情も隠してきた私が辛そうな顔してた?
そんな、まさか。

「退けよ、星宮」

綾芽の声と共に暖かかった感覚が消えて周りの情景が見えるようになった。

「星宮の言う通りだ。あたしらを頼ってよ」

綾芽を見ると、すごく悲しそうだった。
蒼空も寂しそうな顔をしてた。
海音は心配そうな顔をして私を見つめる。

そんなに心配かけてた?