「…羽音」

誰かが私を呼ぶ声がして頭を上げようとすれば、それを阻止される。

「きゃああ!!王子が、藍咲さんを抱き締めてる!」

へー。
海音が私を抱き締めて…?

…は?なんで?意味分からない。

「ちょっと、海音」

「黙っててや」

海音に抱き締められてる私。
私を抱き締めながら背中を擦る海音。

何がどうなってるの?

「離れてよ、海音」

目の前には海音のお腹があって、喋ってもあんまり聞こえないと思う。

…あ。
海音、少し太ってる。
前が48で今が…51辺りかな?

私のお弁当残さず全部食べてくれるもん。
太ってなきゃ困る。