海音、あなたが真っ白な色なら私は真っ黒。
白と黒を混ぜれば灰色になるんだよ。
だから、海音。
私があなたを好きになることなんて…ない。
もし、仮にも私があなたに惚れたとしたら…その時はちゃんと告白しよう。
こんな私が人に惚れるなんて、恋人になるなんて、許されるはずがない。
だってね、父親に言われたんだ。
「お前は汚れてるんだから好きな人なんて作るなよ?相手が可哀想だ」
そう言って私を売った。
汚れてる?あんたが私を汚したんでしょう?
私は普通に生きたかったのに。
普通の女の子でいたかったのに。
父親のせいで全部が変わってしまった。
私の性格も、体も、何もかも全部。
許さない、だけど、もう…あんたはこの世に居ない。
今更、どうしろって言うの?
母親も居ない。
誰も身寄りが居ない。