「…藍咲」

「……」

「藍咲!!」

「…はい?」

「聞いてたか?」

まずい…全然聞いてなかった。
問題とか分からないし…やばい。

「聞いてた」

「そうか。なら、この問題解いてみろ」

そう言って黒板を指差した。
が、問題の意味が分からなかった。

「……」

「ん?どうした?聞いてたんだろ?」

ニヤニヤしながら言う。
こいつ、絶対わざと言ってる。

ここで負けるのも…尺じゃない。
何とかして見返してやりたい。

「謙譲語とか敬語とか尊敬語とか俺には分からへんわ~」

「あたしもわかんねぇーなー」

「…俺も」