そのまま海音は話を続けた。

「後、もっと俺に頼ってや」

「…頼り方、知らない」

なんて、嘘をついた私。
頼り方なんて知ってる。

頼るのに勇気がいるだけだ。
怖いのかな、頼るのが。

そんなことないんだけど、私が知らないだけで実は怖がりなのかも。

だから、頼るのは無理だよ。

「ほんなら、助けてほしいときは俺を呼んでや。辛いときは俺の前で泣いてや」

それは…無理でしょ、普通に考えて。
海音は本当に私が好きなんだろうか。

好きになられるようなこと、してないんだけど。
寧ろ私が勝手に嫌っちゃってるんだけど。

「うん、そうだね」

「約束やで?俺は頼ってほしいんや」

…少し、勇気を出してみようかな。
柄にもなく、思ってしまった。

頼るのにも勇気がいるんだ。