―ピロロロ…

携帯の着信音が鳴る。

「…ん…もしもし…?」

寝惚けながら電話に出ると、聞き慣れた声が聞こえた。

『羽音?どないしたん?体調悪いんか?』

…海音?
なんで私の番号知ってるの?

それよりも、体調悪い?私が?何で?

「何が…?」

『…今、11時過ぎやで?』

11時過ぎ?!
私、かなり眠ってた?!

「ごめん、寝てた。今から行く!!」

一方的に電話を切って用意をする。
服を着替えるだけなんだけど…寝惚けてたせいか、いつもより時間が掛かってしまった。

ガスなど見回りをして家を出る。
鍵もきちんと閉めて。

さあ、行こう。

そう思って振り向いたら――…