「…たの?」

ん?珍しい。
屋上に先客おるやん。

俺は屋上から離れて違うところへ行こうとした。
――が、そいつらの会話…いや、とある単語を聞いてしもて、俺は屋上のドアを開けた。

―「藍咲さん…あんな男たちに襲わせてよかったの…?」―

その言葉を聞いて、いてもたっても居られへんなった。

「なあ、そん話詳しい聞かせてくれへん?」

「ほ、星宮様…っ」

俺ん名前、呼んだんは確か…麻原 李花 -アサハラ リカ-。
中学ん時同いクラスやった奴や。
やたら俺に言い寄ってきてたさかい、嫌でも覚えとる。

あれは俺にとったら悪夢や。
…って、そんなことはどうでもええねん。

羽音が襲われとる?
本間か?信じてええんか?