私は好き好んで海音と話してるわけじゃない。
話しかけられるから話すだけ。

用がなければ話したりしない。
それは綾芽や蒼空に対しても同じこと。

「てめぇ…!」

グループの女の子が私の胸ぐらを掴む。
殴りたきゃ殴ればいいのに。

「李花さん!!」

そう呼ばれたリーダー的存在の子。
最初に私に話しかけに来た子だ。

「汚いから洗わなきゃね?」

そう言ってバケツを私に見せる。