『羽音…死んだらあかん―…生きるんや―…』 強風と共にそんな声が聞こえた。 その声を聞いた私は、身を乗り出すのをやめ、歩道橋で泣きじゃくった。 通る人が私を見たり、声をかけてくれたが私はただ泣きじゃくった。 どこまでも、海音は優しくて どこまでも、海音は格好よくて どこまでも、海音は大人で どこまでも、海音は海音のままだった。