ただいま4時30分。
学校が終わって私は海音を待っている状態。
授業が終わるな否や海音は足早に教室を出て、私に「正門で待っといて?」だけ言ってどこかへ行ってしまったのだ。

…結構待ってるはずなんだけどなー。
あれから20分は経ってる。

帰る人が私をガン見するのは言うまでもない。

「すまんすまん」

軽く謝りながらやって来たのは海音。
…悪いと思ってないでしょ、絶対。

「…いいけど。何かあったの?」

「ん?あぁ…弟に電話しとってん」

なぜに弟さん…?
今日、実は用事があったとか…?

「ちゃうちゃう、帰るん遅なるから晩飯要らんっちゅーただけや」

そんな電話で20分もかかったりしないでしょ。