多少不安を抱えつつ授業をしていくこと早数時間。
…ほぼ地獄の放課後になった。
言われた通り、職員室へ向かう私だけど内心は地味にドキドキしてたりする。
「りっちゃん先生?」
「ん、遅い」
遅いとか言われても知らないし。
わざわざ職員室へ来たんだからお礼くらい言ってほしいものだ…。
「で?何の用なの?」
「明海から、これ」
そう言って手渡されたのは紙袋だった。
普通の、どこにでも売ってそうな紙袋に何かいっぱい入ってた。
「明海さん…?」
「知らねぇのかよ」
明海さん…あけみさん…明海さん!!
海音と初デートしたときに会った女の人だ。
「…どうして明海さんが?」
「知らん。中身見ろ」
りっちゃん先生に促されて私は渋々、紙袋の中身を見た。
紙袋の中身は…服やら食べ物やらアクセやら…とりあえず色んなものが入っていた。
…こんなに、どうしたんだろう?
「…これ」
「明海からお前にやるって」
ええっ?!
こんなたくさん?!
私なんかのために?…受け取れないよ。
「りっちゃん先生…」
「受け取るのも相手を思いやる気持ちだ」
…こんなときだけ先生ぶるなっつーの。
でも、りっちゃん先生の言う通りだよね。